2012年1月31日

話(「おわかれ」)

母が亡くなったときに"おわかれ"を経験
してから、これは、ありえないことでなく、
普通にありえることなんだと、やっと
思えるようになりました。

わたしだけがいろんなことを話しかけて、
亡くなった方は、聞いているだけなんて、
さみしいことにはちがいありません。

でもね、松永先生のお顔をみたら、とても
やさしくて、このままずっとかわらないで
いてくれると、暖かい気持ちになりました。

お写真をみると、涙がとまらなくなって
しまうけど、おもいだすことがいっぱい
あるのは、うれしいことです。

"おわかれ"に伺う前、何をしても気持ちが
落ち着かないので、松永先生にお手紙を
書いていました。何枚も、何枚も続いて、
終わらなくなってしまう…。

「原画はほとんどとっておかない、
破り捨ててしまう」というお話を思い出しました。
ものすごくびっくりしましたが、「絵本や雑誌に、
印刷されたものが、いちばんいい状態で
あれば、それがいちばんだ」ということに、
納得したのでした。

詩とファンタジー」でも松永禎郎先生の
特集を、ぜひ考えたいです。画集もできたなら
いいなぁ。松永先生の絵をこれからまだまだ、
若い人々にも伝えていきたいです。

2012年1月30日

話(「蒸しカレー」)

近所にインドカレーのお気に入りのお店を
発見してから、テイクアウトもできるし、
うちのより美味しいと、しばらく作って
いませんでした。

久しぶりに、お料理本をみながらのカレー作り。
「蒸しカレー」です。材料も普通のものばかり、
手順があまりにも簡単、時間もかからない、
期待もなく、ただはじめての「蒸しカレー」、
どんなかなぁと思ってました。

ガラスの容器にお肉やお野菜を切って、
カレールーを流して、ひたすら蒸し器にいれて、
しゅんしゅん蒸すだけです。

予備校帰りの娘を待って、遅い時間に
食べたのですが、美味しい!
お肉もお野菜が、やさしくなるって
こういうことなのかしらと思いました。
蒸気の力が発揮されたカレー、見た目では
わからないけれど、口に入れてみると、
うーん、とろんとした顔になってしまいます。

この味を忘れたころに、また作りましょう。

2012年1月27日

話(「松永禎郎さん」)

冬の特別寒い日に、画家の松永禎郎先生が
お亡くなりになりましたと、雪のように
舞い込んだ知らせ。

松永先生「暑いのは、ほんとうに苦手でねぇ」と
いつもおっしゃっていて、冬はお元気な
はずなのに…。「腰が痛くて…」とは
きいていましたが、とても残念です。

いつでもそこにいてくださった、お電話での
優しいお声、もう聞くことができません。
松永先生、絵も文字もお人柄も、すべて
気品に満ちていました。"紳士"とは
まさに松永先生のことです、と断言して
まちがいありません。

詩とファンタジー」では、創刊号から
現在発売中の17号まで、すべての号に
作品を寄せてくださいました。ほんとうに、
先生にはあまえていて、「松永先生なら、
どんな詩にも対応してくださる」という
安心感を持っていました。

17号が最後の絵になってしまいました。
ぜひ、そのページを開いてください。

詩集「グレープフルーツ」にたくさんの絵を
描いてくださり、デザインもしてくださった
松永先生、ありがとうの気持ちでいまもいっぱい。
この詩集、とても大切にしています。

※現在、「アンパンマンミュージアム」(高知)で

色彩の詩人「松永禎郎」展』が開催されています。

2012年1月26日

話(「なす染め」)

娘が小学校のときに用意した、コットンの
小さなハンカチ。雰囲気におおいに流されて
思ったのです、ワンポイントで刺繍をして、
名前も入れて…なんて。

ついに6年間の小学校時代、刺繍をすることは
ありませんでした。それから更に何年間も、
引き出しの奥に束になって、そのままのハンカチ。

ひょんなことで今回"なす染め"をする機会に
恵まれました。これはハンカチの出番です。

なす6本の皮をピーラーでむいて、今夜は
2時間煮ました。それからドボーンと、なすの
色水の中にハンカチを、一晩漬け込みます。
どんな色になるか…は楽しみでもなく、
うすぼんやりしたなすの色でしょう。そして、
皮をむいて残ったなす、何のお料理にしようかしら。

なす染めも渋いけれど、トマト染め、こちらは
ちょっぴりかわいいかんじ。わぁーすごい!
なんて、だぁれも云ってくれませんが、
たしかめてみたのです。

2012年1月25日

話(「科学絵本」)

たしかめてみよう福音館書店 
おともだちが、図書館で借りたというこの本、
ひとめで気に入ってしまいました。

"たのしいかがくあそび"の本、絵がとても素敵。
一冊、自分で持っていたいなぁと思いましたが、
絶版です。初版は、わたしが小さいときですが
まったく知りませんでした。

ローズ・ワイラーさん、ジェラルド・エイムズさん
ご夫妻の文章、吉村証子さんの日本語訳も
とてもいいです。

絵を描かれた、タリバルジス・スチュービスさんは、
ソ連(当時)のラトビア共和国生まれとなってます。

「あなたは こんなことを しっていますか?」
「これは みんな ほんとうのことです」
すべて、ひらがなの文章がとても優しい
語りかけです。

みずのじっけん、くうきのじっけん、
おとのじっけん、じしゃくのじっけん
ほんとうに、たしかめてみよう…
びっくり、瞳が大きくなります。

ご夫妻の書かれた科学の本、こども向けのものが、
まだいろいろあるようです、探して読んでみたいです。

2012年1月24日

話(「美容院」)

下北沢の美容院に、ここ数年間お世話に
なっています。すぐ伸びてしまう前髪さえ、
自分で切れずに、カットに行くので、
ほんとうは自宅から徒歩圏内が理想です。

娘が中学生のとき、髪の毛から反抗が
始まりました。パーマをくりんくりんに
かけてしまったり、ちりちりにしたり、
髪の色も、茶色ならいいのですが、
赤や金髪まで。

その娘が気に入って、みつけてきた美容院が
下北沢。確かわたしは「校則があるので、
あまり派手にはしないでください」と
美容師さんに頼み行ったのではなかったかしら。

そしていつしか、同じ方にわたしもお願いする
ようになりました。今回は、ヘッドスパを。
頭には、毛細血管が集中しているから、
この辺りをマッサージすると、顔の表情まで
変わるんですよ、と教えていただきながら、
いい気持ち。

親子でお世話になっていますが、そろそろ
娘も落ち着いてきたので、わたしはまた、
地元に戻ってもいいかもしれません。
でも、慣れてしまうとなかなか、変えることは
できないものですね。

2012年1月23日

話(「お絵描き」)

浜田山の温子さんのご自宅に、遊びに行きました。
駅からとても近くて、外国のアパートメントのような
一軒家のような、あちらでは多いけれど、
日本ではめずらしい素敵なお住まい。

スリランカのお紅茶に、郡山のケーキやクッキーを
おいしくいただきました。

中学生の息子さんのお部屋が、リビングに
続いています。壁には小さいときに
描いちゃったという絵が、いっぱい。
そのまま残っています。近づいて
眺めてしまいました。

「張り替えようと思っているんだけどね…」と
温子さん。

「えーっ、まだまだこのままでいいと思うわ…」と
わたし。

すっかりそのかわいい絵、気に入って
しまったのです。壁に直接お絵描きしちゃうって、
男の子特有なのかしら?

ここでずっと暮らしてきましたっていう雰囲気の、
暖かいお部屋、いいなぁ。ほら、こんな絵が
背の届く位置に、あちこちに描かれているんです、
いいでしょ。

2012年1月20日

話(「神保町」)

出先でぽっかり空き時間ができ、神保町の
喫茶店「ラドリオ」で本を読んで過ごしました。

自宅ではひとりでいることもありますが、
外でのひとりの休息は、久しぶりです。

神保町の喫茶店がだいすきな、
おびきみつこさんにメールをしました。
みーさんは、いまお仕事をお休みして、
お父様の介護に時間を使われています。
お元気でがんばっているかしらと…。

「わたしも柏のカフェにいます」と
みーさんから、すぐにお返事がありました。
ギターのレッスンだけは続けられて、
その帰り道にひとやすみしているところでした。

ひとやすみ…なくてもいいようですが、
大切ですね。

うまく時間つぶせるかしら…と思って
入ったのですが、かぼちゃのケーキを
いただいたり、本を読んだりあっという間でした。
流れる音楽が心地よくて、もっとそこにいたい
ほどでした。

次の約束があって席を立ちましたが、
きょうの与えられたこの時間に感謝しました。

2012年1月19日

「詩とファンタジー」17号

詩とファンタジー」17号、特集は草野心平
ふるさといわき。

北見隆さんが絵を描いてくださいました。
エッセイを寄せてくださったのは、
長田弘さん、和合亮一さん、箭内道彦さん。

東北の被災者の方々からも、作品をたくさん
寄せていただきました。どの詩も真実の記録で、
その中から作品としていくつかを選ぶのは、
毎回胸が痛みます。

中学校の先生、高校の先生が生徒の詩を、
まとめて送ってくださったり、施設に
入られている方の詩を、ヘルパーさんが
代筆してくださったり、大きな封筒からも、
小さな封筒からも、暖かな気持ちが
あふれだしてきます。

「詩とファンタジー」年間賞の発表号でも
あります。詩部門、イラストレーション部門、
どうぞおたのしみください。

やなせたかし先生が、お元気でいてくださる
おかげで、すでに次号(18号)の準備も
スタートしています。

2012年1月18日

話(「羊毛パンダ」)

パンダがまた一匹、誕生しました。今回は、
その出産にわたしも立ち会ったのです。

ひたすら針を刺しては土台をつくる…
その部分の、単純作業だけに携わったのですが。

師匠は娘ですから「これでどうでしょうか」と
オッケーをもらうまでがんばりました。

からだの表情をつくったり、たいせつな瞳を
顔に埋め込んだり、そういう難しいところは、
娘まかせです。

やってみると楽しくなってきて、なんと
わたしが手芸屋さんに羊毛フェルトを
探しに出かけました。ショッキングピンクや
オレンジ、コバルトブルーなど、いったいこれで
何をつくるんでしょうという色を買ってきました。

「なかなかいいじゃない」と励まされ、
「もう少し丁寧にね」と注意を受けながら、
出来上がりました。

このパンダは、パンダ好きの裕ちゃんのお家に、
旅立って行きました。小さな小さな箱は、もう
千葉に着いた頃かもしれません。



2012年1月17日

くどうなおこさん

銀座「教文館」の子どもの本の店「ナルニア国」に
久しぶりに行ってきました。くどうなおこさんの
「わっしょい のはらむら」原画展に。

「のはらうた」のシリーズ、だいすきです。
くどうさんの詩には、ほてはまたかしさんの版画、
と挿絵がすぐに思い浮かんできます。

今回の展覧会、絵も、くどうなおこさん。
くどうさんのことばのように、絵も
とびはねるようだったり、すっきりしている
絵ですが、さみしげではなく、とても楽しいのです。

娘がおおきくなって、「のはらうた」から
少しはなれていました。なつかしいし、やっぱり
くどうさんの詩には、こころを掴まれます。

「のはらうた」のほかにも、「童話屋」からは
たくさんの手のひらサイズの詩集がでています。
その表紙原画も展示されています。

あぁこれこれ…と、どれも我が家の本棚に
おさまっている詩集ばかり。日曜日の午前中の
本屋さんは、新刊なども一冊一冊、手に取っては、
ゆっくり開いてみることができました。

2012年1月16日

話(「温子さん」)

温子さんとは、10年ほどまえ、永福町の
おなじ建物に住んでいました。
わたしが一階で、温子さんがお二階。

そこには、小さなお庭がありました。
決して広くはないのですが、狭くもなくて、
ガーデニングをするには、とても楽しい
スペースでした。

けっこう凝り性なわたしは、一面を
白い花にしたり、一面を赤い花にしたり、
毎日毎日、草を抜いたり花を摘んだり。

白い花は、雨上がりには土がはねて、
ずいぶん汚れた顔になってしまい、
がっかりすることもありました。

庭仕事をしていると、お二階の温子さんが、
ロープをさげて、おやつを届けて
くださったりしました。パスケットのなかに、
お疲れさまのお菓子がいっぱい。時には、
わたしが紅茶の空き缶に、お花を
アレンジして持って行き、そのまま
お茶の時間になったり。

その温子さん、お正月に湯島天神に
初詣に行かれて、娘に合格祈願の鉛筆を
贈ってくれました。どうもありがとう。

娘の小学校入学のお祝いに、青い鉛筆削りを
くださった温子さんです。この鉛筆も、
懐かしい鉛筆削りで、きれいにとんがる
ことでしょう。

いまは浜田山にお住いの温子さん、自転車で
あそびに行きますね。

2012年1月14日

寺門孝之さん

寺門孝之さんの新春の展覧会
ボクの神々を載せて」のテーマは"宝船"。
ゴールドとレッドの二色が、新春のお祝いを
うたいあげている、「ピンポイントギャラリー」です。

宝船の絵柄の切手、7円、10円をシートで
みつけられた寺門さん、絵の片隅に、けれど
きちんと目立つように貼られています。

宝船には、ほんとうにさまざまな人々が、
乗っているのです。猫ちゃんだけの"cat boat"も
あれば、赤ずきんと狼の"boat"、それから
ブリジッド・バルドーとマリリン・モンローの
乗ってる宝船も。今年の干支のドラゴン宝船も
素敵です。

なんとなんと三島由紀夫に川端康成、太宰治、
芥川龍之介、宮澤賢治、中原中也と、その真ん中の
女性は由紀さおり、スキャット宝船も楽しそうです。

寺門さんなら、どなたと乗りたいのでしょうか。
幸か不幸か、乗り合わせた人とは愉快な航海を
たのしみたいですね。

2012年1月13日

柳智之さん

HB Gallery」での柳智之さんの個展
言葉のはじまり」の最終日に間に合いました。

柳さんは、言葉を紡ぐひとです。そして、
線で絵を描くひとです。そこに、柳さんの色が
控えめにのっています。

"紙袋"の絵をみても、"トラック"の絵をみても、
柳さんがそこでおもっていることと、
おもっても云わないでいることの、
空間のセンスが抜群に素敵。

真四角に近いギャラリーの絵を見終えて、
テーブルの上に置かれていた"詩と絵"を何枚も、
みせていただきました。

言葉があって、絵があって、立体的になってゆく、
その距離感が難しいけれど…とお話しを伺いました。

今回の個展には間に合わなかったそうですが、
柳さんの詩画集の完成も、もうすぐかもしれません。

2010年の個展には、行けなかったのですが、
そのときのDMのことばも、だいすきです。

「目を細めて街を眺めると生活の中に
あふれていた様々な線 彼等を白い紙の上に誘って
散歩します。どうぞ、よろしくお願いします」

2012年1月12日

話(「チワワ」)

犬、猫、どんなに小さくてどんなに愛らしい
動物でも、眺めるだけで、手を触れて
可愛がることができません。

えーっどうして、わかんないなぁ…と
云われますが、とにかく怖くて
しかたないのです。

娘のおつきあいで、ペットショップに
行きました。家で飼えないんだから、
せめていいでしょう、見るだけ、
試験勉強の息抜きなんだからと、
誘われました。

ペットショップですから、犬を連れた方も
いっぱいいます。リードにつながれていても、
わたしは逃げ回ってます。

ところが、チワワだけは特別。
スムース・チワワ、毛の短いチワワ。
色も白などはだめで、茶色のチワワと
決まっています。

実家で長年、そんなチワワを飼っていたのです。
そう、慣れているっていうこと。
おなじチワワに見えるのです。

動物博愛主義の娘には、理解できないそうです。
チワワのまえでは、別人のようになるわたしを。

2012年1月10日

宇野亜喜良さん










Poster Hari's gallery」で、宇野亜喜良
ひとりぼっちのあなたに
寺山修司と宇野亜喜良のコラボレーション展
開催中です。

宇野さんのライブペインティングが
ありました。「僕は猥談なんかがすきで、
そんなかんじの絵を描きますね…」と
はじまりました。

猥談をすると、その相手のセンスとか、
趣味などがわかって、そこが面白いと。
「叱られてしまうこともあるけれど、
受け止めてくれるひとが好きですね」って、
お話しされてました。

左利きの宇野さんの手から、まず女性が
生まれ、猫、男性、魚、ねずみと、
その場で考えたとはとても思えないような、
完成された絵ができあがっていきます。
なんて清潔感のある色っぽさ。

見に来ている方々のほとんどが女性です。
おともだちの裕ちゃんも、宇野さんの
ファンです。本を三冊購入して、サインを
いただいての記念写真。きょうはいつも以上に
素敵な宇野さんでした。裕ちゃんもにっこり。

2012年1月8日

加藤休ミさん









加藤休ミさんの絵本「ともだちやま」の
出版記念の原画展に「ビリケンギャラリー」に
行ってきました。

山とともだちになっちゃう男の子、
その山がとても丁寧に描かれています。
絵本、ほんとうに絵の力に、大きな拍手を
おくります。

クレヨン、クレパスで描いた山、
その山を細かくひっかくようなタッチで、
木々が描き込まれています。

原画の迫力を、印刷して絵本にするときに
ご苦労された甲斐あって、なかなか
いい色に仕上がっています。ページを
めくるたびに、大自然の複雑で美しい色を
楽しめます。

山の緑が恋しくなります、山に行きたく
なります。登山はできなくても、ぽぽんと
山にのぼって、山とともだち気分を
あじわいたくなります。

ギャラリーでお会いした方々に、
「ことしもどうぞよろしく」とご挨拶すると、
あぁ…ことしも動き出したということを実感。
ブログを読んでくださるみなさま、
ことしもどうぞよろしくおねがいします。

2012年1月7日

花実さん

高田美苗さんから届いた新春プレゼントは
花実さんのCD「命の樹」。美苗さんが、
絵を描かれデザインをされています。

花実さんの歌を聴いていると、なんて
日本語はきれいなんでしょう、と思います。
こんなふうに歌えたら、こんなふうに
話せたら、ことばを受け取った相手は、
どんなに気持ちよく感じることでしょう。

「命の樹」の歌詞から…

涙を知らずに生きられない
この世に降りた最初の日から
どうしても逃れられぬものに
からめとられずに行きたいけれど

花実さんのメロディで、ぜひ聴いてください。
悲しい気持ちでいても、自分がどんどん
小さく弱くなるのではなく、翼をつけて、
どこにでも飛んで行けるほど、強くなる
ような気持ちになります。

お正月も終わって、またまた三連休の一日、
音楽を聴いて過ごす午後でした。

2012年1月6日

立原道造記念展示室

東京の本郷の「立原道造記念館」が残念な
ことに閉館しました。そして今年、
信濃デッサン館」の中に
立原道造記念展示室」が誕生するそうです。

"夭折画家"の作品を大切に集めて展示して
いらっしゃる窪島誠一郎さんが、立原道造も
仲間に加えてくださることになったのです。

窪島さんのおことばをこちらでご紹介します。

『「夢はいつもかへって行った 山の麓の
さびしい村に」、「美しい思ひ出だった
みんな清らかなことばかりだった」、
「五月の風をゼリーにして持ってきてください」
元祖草食系といってもいい夭折詩人
道造の仄暗いパステル画、詩稿、書簡が、
元祖肉食系村山槐多の作品と交わるシンフォニー、
想像するだけで心がおどるよ。』

いまはまだ雪の中の「信濃デッサン館」
でしょうか。春の声がきこえてきたら、
みなさんも道造に会いに行ってね。

2012年1月4日

話(「モンドール」)

「家は、ぽろぽろになってしまったけど、
どうぞあそびに来てください」娘の
幼稚園時代の、おともだちのママからです。

3歳のときから、17歳の現在まで、ずーっと
大の仲良しです。こどもたちは、お互いに
家に泊まり合って、姉妹のようなおつきあい。
きょう、泊まってくよ、という突然の連絡でも
大丈夫なほど、よくわかってるご家庭です。
歩いて行ける距離です。

年月は流れましたが、お家の白い壁の
落書きも、そのまま懐かしく残っています。
こうして、こどもたちを遊ばせている間、
お茶を飲みながら、おしゃべりしていたよねー。

お正月のきょうは、冬期限定のチーズ
モンドール」をいただきながら、
まったりまったりしました。

おいしいからって、チーズは食べすぎると
太るのよねぇ…と云いながら、やめるわけでは
ありません。

「ねぇ、お雑煮も食べる?」とお料理上手の
彼女は、さっとキッチンに立って、
素敵な器にいれて、運んできてくれます。

こどもたちは、近くの神社にお詣りに行きました。
娘は、前日の早朝、明治神宮にも初詣に
出かけました。起きられないから、寒いから、
さまざまな理由でわたしはお留守番ばかり。

こんなことでは、素敵な1年にしようなんて
いうのも、無理かしら。まだまだ、はじまった
ばかり、希望に燃えています。

2012年1月3日

話(「元旦」)

"親戚の集い"に久しぶりに復帰した娘です。
むずかしい思春期が、終幕して、今年は
行ってみようかな…と控えめに呟いていたので、
行こう行こう、みんなよろこぶからねって。

弟の家に集合です。おつきあいで購入した
お節が2セット、おつきあいの蟹、おつきあいの
すき焼き、おつきあいのおかげで、にぎやかな
食卓です。高級なお酒も、おつきあいなんだ…
といって登場。わたしは"りんごきんとん"と
"冬野菜のサラダ"をつくって。

こどものころ、お正月と夏休みは、いとこたちに
会って遊べるのが、ほんとうに楽しみでした。

娘もそれはいっしょで、いとこに会うと
とてもうれしそう。次から次へと、
ゲームをする時代はもう過ぎてしまって、
いまではおしゃべりばかり。

お正月は、一日中座ったまま、ひたすら
何かを口にしている、というのもかわりません。
洋菓子も和菓子も、いっぺんに出てきて、
迷いながら結局両方いただこうなんて。
お正月くらいいいよね…と女性の数が圧倒的に
多い親戚、みんなおなじことを思っています。

2012年1月1日

話(「忘年会」)

M先生とわたしと娘、3人で忘年会、麹町の
イタリア料理店で。M先生は70歳、娘は17歳、
年齢は、ばらばらですが、おいしいものを
いただいて、おしゃべりすれば、ひとつの
輪の中にすっぽり。

M先生「俺はデブだから、このごろの服は
細身で困る」と。ジャケットのボタンが
閉まらないけれど、お店の方にそれで
いいんですと勧められて買ったとか。
黒いジャケット、似合っていましたけどね。

「デブだから・・・」連発されて、メインの
お料理も少なめに。デザートも、いちばん
軽そうなものを。「お酒が、まずいんじゃ
ないですか」と娘が指摘していました。

M先生は、エンターテイメントの世界で
長いことお仕事をされ、いまもお忙しく
されています。なのになのに、素人の質問に
とっても優しくわかりやすく答えてくださいます。

"どのように「少女時代」が、韓国から
日本にきたか"なんて、娘とのやりとりを、
わたしも聞いていました。

エンターテイメントの仕事をするには、
たくさんの引き出しが必要で、大学は
どこでもいい、4年間うーんと遊ぶように、
なんて云ってくださるものですから、
目を輝かせて「はいっ」なんて娘は。

今年おじいちゃまになられたM先生は、
まわりがあまりに盛り上がってるから、
ちょっと引いた位置にいるそうです。

「孫は俺が育てる」なんてことばも
飛び出していましたから、ほんとうは、
自らお孫さんに会いに行きたくて
しかたないのかもしれません。