2011年10月31日

話(「みかんいろの童話集」)

みかんいろの童話集」タイトルだけで、ふっと
手が伸びました。

娘の高校の文化祭、図書館の前で小さな古本市が
開かれていました。お客さんは、わたしのほかに
見当たりませんでした。

わたしが生まれる前のご本です。箱は少し
痛んでいます。監修は小川未明、志賀直哉、
川端康成、ぞくぞくっ。いぬいとみこさんや、
坪田譲治さんの童話が入ってます。美しい箱、
美しいそうていと記されていて、それは
だいすきな初山滋さん。

"みかんいろ"は、「日本少年少女童話全集」の
第1巻です。"うさぎいろ"、"さざんかいろ"、
"うぐいすいろ"、"すみれいろ"、"やまぶきいろ"、
"ぼたんいろ"、"ほたるいろ"、"たまむしいろ"、
"ほおずきいろ"、"すすきいろ"、"なんてんいろ"
季節のように全12巻あるのです。

おいくらですか、と図書委員の学生さんに訊くと、
定価十分の一ですから、30円です。10円玉での、
たのしいお買い物でした。

"みかんいろ"には18のお話があります。
「塔についていた血のはなし」「さるの別れ」
気になります。これからねころんで、読みます。

2011年10月30日

話(「韓国料理」)

新宿と高田馬場のあいだの新大久保の駅。
降りるのは、まだ3回目。何年か前は、
東京グローブ座」にお芝居を観に行って、
今回は韓国料理です。

駅に降りると、すごい人の波にびっくりしました。
韓国料理のお店が、ぎっしりなんですね。
どのお店も、忘年会シーズンように、
ぎっしりのひとです。お気に入りのお店なら、
予約をしないと入れないほど。

参鶏湯を食べましょう…と云われて、はいはいっ、
行きますって云ったものの、参鶏湯、なんて
読むのかも知りませんでした。サムゲタン、
これだってやっと覚えられました。

美味しくいただいているうちに、あったまるし、
しあわせだし、温泉に入ったときの、
天国気分のように。

実は、その前にお肉もしっかりお腹にいれて、
もう食べられない状態でしたが、明日
お肌がつるつるになる、この呪文を信じて
ぱくぱく。

これから寒くなってくると、さらに恋しくなる
韓国料理かもしれません。道順は、ちゃーんと
頭にたたきこんできたつもりです。

2011年10月25日

話(「ぱんだ珈琲店」)

学生時代の裕ちゃんといっしょに
アダムとイヴ 私の犯罪学」に行きました。
千葉から来てくれた、パンダ好きな彼女が
喜ぶかなと、阿佐ヶ谷の「ぱんだ珈琲店」で、
ひとやすみ。

パンダなら、どれでもっていうわけではなく、
珈琲のあとは、お好みのパンダグッズを、
吟味して選んでいました。

中国のパンダ動物園まで訪ねた彼女です、
わたしにとっては、パンダ博士です。

右も左もパンダに囲まれて、はじめての空間で、
わたしはそわそわしながら、おいしく珈琲を
いただきました。

2011年10月24日

アダムとイヴ 私の犯罪学

中野駅から、とことこ路地を歩くと、
小さな劇場が4つあらわれます。
そのなかのひとつ「劇場MOMO」で
アダムとイヴ 私の犯罪学」を
観てきました。

寺山修司の作品を、宇野亜喜良さんが
構成・美術、衣装も。45年ぶりに、
宇野さんが再びこちらの作品に、
命を吹き込んだという舞台、主演の
野口和美さんのブログで、詳しく
読んでくださいね。

100人ほどの劇場、役者さんといっしょに、
舞台に入ってしまうような、不思議な
たのしさがあります。

2011年10月20日

詩とファンタジー 16号

16号という数字に、とてもびっくり、そして
感慨深いです。

スタートしてから、3号までがんばろう、
10号までがんばろうと、やなせたかし先生と
かまくら春秋社」のみなさんのお力、
そしてなにより、読者、投稿者の
みなさんのおかげで16号まできました。

イラストレーターのみなさまにも、感謝しています。
いつもおおきな声で、ありがとうございますと、
云い続けています。

やなせ先生の"編集前詩"の後半より抜粋

詩をかき 絵をかいて
なんとか かんとか 生きのびた
つまり これが しあわせな人生
ところであなたは?

「詩とメルヘン」の時代から、最後の、
"ところであなたは?"は、かわっていません。

"ところであなたは?"にこたえるように、
わたしは詩を、書き続けてます。

10月19日発売の「詩とファンタジー」16号
本屋さんで、どうぞよろしくおねがいします。

2011年10月19日

味戸ケイコさん










ここにいる舟崎克彦・詩、味戸ケイコ・画

シックな装丁の詩画集です。耳を澄まして
読む詩の絵本、と帯にあります。

耳を澄ますということは、瞳や、心を澄ますこと。
味戸さんの描かれる少女は、さみしげな眼差しです。
そのさみしさを、しっかり支える強さのある
少女です。風が吹けば風と、光が降り注げば光と、
お話ができるような、自由な少女です。

どのページにも、生きるものを代表する少女の
気持ちが、揺れていたり、浮かんでいたり、
彷徨っていたり。

この季節、秋によむのにぴったりの一冊です。
ページを開く前に、表紙をみているだけで、
時が過ぎていきます。

舟崎さんの詩が、わたしに向かって歩いてきます。
どうぞ、少しゆっくりできるお時間のあるときに、
掌にとってください。

「クリップ」53号には、味戸ケイコさんからの
お手紙を、掲載させていただきました。
学生時代は、詩も書かれていた味戸さん、
どうもありがとうございました。

2011年10月18日

話(「わあるどごはん」)

こちらのブログを全面的にサポートして
くださっている、ひげ☆ぼうずさんの
一日だけのレストラン「わあるどごはん」で
ランチをたのしんできました。

いっしょに行ったのは、おともだちの
智恵ちゃん。「淳ちゃんは、ものおじ
しないから、いろんなおともだちがいるね」
って、楽しそうに云ってくれるのですが、
ものおじしないって、こどもに対して云う
ことばのような…まぁいいわ。

渋谷のセンター街を突き当りまで行った、
宇田川町のビルの2階。ひげ☆ぼうずさんと
お仲間が切り盛りしています。料理人の
笑顔がとっても素敵。"ブラジル料理"です。
メニューをみても、なまえが難しくて
すぐ忘れちゃう。

カウンターばかり10席ほどのお店で、材料や
調理の仕方も、ていねいに教えてくれます。
干しえびがよく使われるようです、
ココナッツ風味、おいしい。こちらのページで、
写真などみてくださいね。

スペシャルデザートまでいただいて、満足、満足。
次回は"台湾料理"、その次は"南インド料理"
だそうです。

またそのときは、お知らせします。
ぜひ一度食べてみてね。

2011年10月17日

穂村弘さん

ジュンク堂書店」新宿店8Fカフェで、
ともだちは実はひとりだけなんです」の
トークショーがありました。

宇野亜喜良さん、穂村弘さん、平岡あみの3人。
1年半前に「オリオン書房」立川店で、おなじ3人で
トークをしています。そのときよりは、おとなに
なった分、少しは受け答えも成長したかしら。

穂村さん、短歌や絵のお話も、もちろん
してくださいましたが、それは本を読んで
いただくことにして、ここではそれ以外のお話を。

穂村さんから宇野さんに、靴や時計、洋服は
どんなふうに選ぶのでしょうかと質問。
靴は履きやすいものを、洋服も決まっていませんねぇ、
時計はひとつのものを30年していますと、宇野さん。
宇野さん、いつもかっこいいけれど、散髪は
一年に一度、地元の理髪店に行かれるそうです。
長い髪も、短い髪も、どんな髪型であっても、
すてきなひとはいつだってすてきなんですね。

穂村さんも水玉のシャツに、きりっとジャケット姿、
眼鏡も似合ってます。「あみちゃんは、どんな男性が
すき?」なんていう質問が突然ありました。
「筋肉モリモリで、ドレッドヘアで、草食系でない
ひと」と云ってましたが、それは理想。

二次会では、穂村さんにいろいろ訊いてみました。
「ご結婚が人生いちばんのしあわせでしたか。」
「ご自宅には、どんな絵を飾っているのですか。」
などなど。ビールを飲みながらぽつりほつりと、
お話してくださいました。

いらしてくださったみなさま、「ジュンク堂」の
みなさま、どうもありがとうございました。

2011年10月11日

話(「ことばのポトラック」)

ことばのポトラック vol.5 短歌朗読&トーク
声がつなぐ短歌」「SARAVAH東京」にて。

盛りだくさんのたのしいプログラムの中から、
どれにしようかな、と迷ってひとつだけ
ご紹介します。

東直子さんの朗読+ひらたよーこさんの歌
矢野誠さんのピアノ、3人の呼吸がぴったり
合って、3人がそれぞれとびきり魅力的で。

東さんの新作の短歌朗読にうっとりしていると、
ひらたさんの歌と矢野さんのピアノがたのしく
はじまって、東さんの短歌がますます
かがやいてきます。音楽は、聴衆の気持ちを
ふわっとさせて、自由に羽ばたかせてくれます。

ことばを大切にするひらたさんと矢野さんの
演奏だからこそ、のひとときでした。

ひらたさんは、お父様が作曲家という家庭環境で、
四才のときから、遊ぶようにメロディを
つくっていたそうです。

ある日、そのメロディにぴったりのことばに
出会って、"世界中の歌詞"を探すことに
夢中になられて、正岡子規、谷川俊太郎さん
などなど、さまざまな詩歌に曲をつけて
歌われています。

短歌のことばには、5・7のリズムがあるから、
曲にのせやすいとおっしゃっていたのは矢野さん。

歌詞として書かれたものではなく。詩や短歌に
すばらしい曲をつけてくれる方に出会えて、
うれしかったです。

2011年10月10日

話(「吉祥寺」)

幼なじみの深雪ちゃん、吉祥寺で毎週ハープの
レッスンを受けていて、吉祥寺にはとっても
くわしいのです。

秋晴れの半日、ランチはここで、スウィーツは
ここで、と案内してもらいながら、たのしい
ひとときを過ごしました。

「家の中のお掃除をする気力が、まったく
なくなってしまった」というのが深雪ちゃんの
悩みです。いまの状態を実際に見られたら、
もう縁を切られるかも…なんて云うのです。

お掃除は、わたしの趣味ですが、強要はしません。
すきなひとが、すきなことをするのがいちばん。
わたしは、忙しいとまずお料理から手を抜いて
しまいます。

お掃除のしすぎで、時間がなくなって、りんごを
ひとつかじるだけ、なんてことも起こるのです。

できないときも、くよくよしないで過ごしましょう。
眠れる場所さえあれば、元気に生きていかれます、
ねっ。

2011年10月9日

話(「王様のブランチ」)

歌集「ともだちは実はひとりだけなんです」を
テレビ番組「王様のブランチ」のコーナーで、
ご紹介いただきました。

我が家にはテレビがないのです。なんとなく
いらない、家が狭いから…と思っているうちに、
買いそびれてしまったのです。

親しいおともだちは、そのことをよくわかって
くださって、きょうも、すぐに知らせて
くださいました。

あとどれくらい子供でいられるのかお風呂あがりに裸でおもう

を話の中心にして とても感じよく 丁寧に
紹介されていましたよと。偶然、朝その番組を
みていたらね…とメールをいただいたり、
あっと気付いてくださった友人・知人からの連絡、
とてもうれしかったです。

2011年10月7日

話(「M先生」)

M先生は、内科や外科、精神科のドクターでは
ありません。お話していると、とても楽しく
なってきて、マイナスのことをプラスに
感じるような元気をくださるので、わたしに
とっては"先生"とお呼びするのが
ぴったりなのです。

M先生、この夏は癌の再発で治療に専念されて
いました。その合間に、オペラなども楽しまれて、
わたしのほうがハラハラしすぎで恥ずかしい
くらいでした。そして、大きな病とも上手に
折り合いをつけられ、すっかりお元気になられて、
とてもうれしいです。金木犀の香る休日、
久しぶりに会いに行って来ました。

診察予約のように、何時から何時までオッケー
というお知らせをいただき、いつも手ぶらで、
楽しいお話をすることがおみやげです。

最近、お孫さんが誕生されて、新米の
おじいちゃまになられたM先生。息子さんの
奥様、赤ちゃんに対する心遣い、優しさには、
びっくりすると。わるいことではないから、
何も云わないけれど、時代がかわって
男性はここまで優しくなったんだなぁと。

そうです、家事や育児もいっしょにするのが、
ごくふつうのことになりました。M先生の頃は、
立会い出産なんてとてもしゃれたことで、
めずらしかったそうです。わたしはその間の
世代ですが、いまの若い人々の優しさには
同じように感心しています。ちょっと、
うらやましいほどです。

2011年10月6日

話(「おみやげ」)

"おみやげ"ってむずかしいですね。お誕生日
プレゼントやクリスマスプレゼントとは
またちがって、ほんとうに、ほんとうに。

ベルリンのおみやげに、陶器の"くま"を
いただきました。割れないように、
ぐるぐると包まれて、あらわれたのが
こちらの"しろくま"。かわいいけれど、
抱きしめるぬいぐるみではなく、一瞬
途方にくれました。

貯金箱になっているのかなぁ…いいえ、
ちがいました。お菓子が入っているのかなぁ…
いいえ、ちがいました。純粋な置物です。
北海道のお魚をくわえた木彫りのくまを
おもいだしました。

ワインボトルくらいのおおきさ、どこに飾ろう
かしら。キッチンが似合うような気がして、
シンクのむこうに置きました。お料理する
わたしを、見張るような位置ですね。

なまえ、なににしようかなって、娘に
相談すると、もらったひとの名前が
いいんじゃないって。えーっ、日本語より
やっぱりこの顔は、ドイツよ、と
考え中でまだ決まっていませんが、仮に
おともだちの名前をつけて呼んでみました…
しっくりきません。